ポイントは除圧です!
腰や脚の痛みで病院にいくと、MRIなどの検査をされ、椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症などが、発見されることがあります。
最初の頃は、鎮痛剤や湿布などを処方され、しばらく経過をみることになります。
それでは、ほとんど治らないでしょう。
そして、「ヘルニアが神経を圧迫しています。痛みを治すには手術した方が良いでしょう。」と、このように「手術」をすすめられます。
- 手術なんてしたくない!
- 知り合いがヘルニアの手術をしたけれど治らなかった
- 余計に酷くなった場合もあるらしい
- 何か他に良い方法はないのだろうか?
いざ手術をすすめられた時、このように思ってしまいます。
ほぐしやには、このような思いから訪ねて来られる方がほとんどです。
結論から言いますと、多くの方が手術をせずに痛みやしびれなどの症状が良くなっていきます。
では、どのようにしたら、ヘルニアや脊柱管狭窄症の手術をせずに、ひどい痛みやしびれなどの症状を治すことができるのでしょうか?
そのポイントは『除圧』です。
そもそも、椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症の手術は、どのような目的でおこなわれるのでしょうか?
それは「神経の圧迫を取り除く」ことです。
痛みやしびれは、神経がなんらかの原因で圧迫されて生じている。
だから、その圧迫を取り除けば症状は治るはず…という考え方です。
椎間板ヘルニアの場合、椎間板から飛び出た中身(髄核)が固まって神経を圧迫しているのが原因と考えられています。
脊柱管狭窄症の場合は、様々な理由で、背骨の中にある神経の通り道「脊柱管」が狭くなって神経が圧迫されているのが原因と考えられています。
これらの原因を手術で取り除いてしまえば、神経への圧迫が消え、症状が治ると考えられているわけです。
『圧迫を取り除く』ことを、『除圧(じょあつ)』と言ってます。
椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症の手術には様々な方法がありますが、ほとんどがこの『除圧』を目的としています。
逆に言えば、手術以外の方法でも除圧ができて神経の圧迫が取り除けるのであれば、症状は治るはずですから、手術をする必要はありません。
その方法がトレーニングによる運動療法です。
トレーニングによって脊柱や椎間板の『除圧』をすることが可能です。
背骨を支える仕組みと除圧
神経への圧迫は、何故おこるのでしょうか?
また、どのようにしたら『除圧』ができるのでしょうか?
それには、背骨がどのようにして支えられているか?を、知る必要があります。
背骨(脊椎・脊柱)は、ブロック状の椎骨が、沢山つながり、積み重なった構造をしているのは、ご存知と思います。
椎骨と椎骨の間には、クッションの役割をする椎間板があります。
しかし、骨だけでは身体を支えることは出来ません。
周囲の筋肉によって、背骨は支えられています。
背骨や身体を直立姿勢で支える役割をする筋肉を総称して『抗重力筋』といいます。
これらの抗重力筋は、主に外側から背骨を支える働きをしますが、もう一つ大事な働きをするのが、内側から背骨を支える腹圧です。
腹圧は、体幹インナーマッスルと言われる腹横筋、骨盤底筋、横隔膜などによってお腹の中に生じる圧力のことです。
お腹の中に風船があると、イメージしてもらうと理解しやすいと思います。
体幹インナーマッスルが、しっかり働いて、腹圧が十分だと、図の左のように背骨は身体の内部から支えられます。
しかし、体幹インナーマッスルがうまく働かず腹圧が弱いと、図の右のように背骨や椎間板に負荷がかかります。
抗重力筋や腹圧が弱い
↓
背骨や椎間板が十分に支えられず負荷がかかる
↓
ヘルニアや狭窄が生じる
↓
神経が圧迫される
このようなメカニズムで、痛みやしびれなどの症状がおこると考えられます。
つまり抗重力筋や腹圧を強くし、背骨や腰を支える力を強くすることが、『除圧』になるというわけです。
背骨の『除圧』をするためのトレーニング
背骨の『除圧』をするためのトレーニングとしては、抗重力筋のトレーニングと腹圧を高める体幹インナーマッスルのトレーニングの2つがあります。
一般的に整形外科などでは、腹筋や背筋などの抗重力筋のトレーニングを指導されることが多いようです。
しかし、腰や脚に痛みがある場合、先に抗重力筋のトレーニングをおこなうと、かえって症状が悪化したり、痛みのためにトレーニング自体ができなかったりすることがあります。
ですから、体幹インナーマッスルのトレーニングからおこなっていきます。
体幹インナーマッスルが回復し、腹圧で内側から背骨や腰が支えられるようになってから、段階的に腹筋や背筋などの抗重力筋をトレーニングするという順番でおこなうと、痛みが悪化したりすることなく、少しずつ治っていきます。
はじめに腹式呼吸を使ってインナーマッスルに力を入れる練習をし、次にインナーマッスルを使いながら、手足を動かすトレーニングをおこなっていくと良いでしょう。
除圧運動療法
脊柱管狭窄症の運動療法については、以前に書いた『脊椎間狭窄症』の欄もご参考に読んでください。
体幹インナーマッスルトレーニング
お医者さんから腰痛や坐骨神経痛を治すために、『運動してください』『腹筋背筋つけましょう』『歩いた方がいいですよ』など言われたことはありませんか?
でも病院で、具体的なトレーニング法を教えてくれることは、ほとんどありません。
やりたいのはやまやまだけど『どんな運動をしたらよいかわからない』『動くと痛くなりそうでこわい』『痛くて運動できない』と途方に暮れている方が実に多いと思います。
ほぐしやでは、腰椎椎間板ヘルニアや腰部脊柱管狭窄症などによる腰痛や坐骨神経痛を改善する体幹インナーマッスルのトレーニングを推奨し指導しています。
まず最初に…
脊椎間狭窄症からきている腰や脚の痛みを改善するためには、腹筋運動や体幹トレーニングのようなトレーニングをおこなう前に、リハビリレベルのトレーニングが必要になります。
上半身をおこす腹筋運動や体幹トレーニングをおこなおうとするとかえって痛みが出たり、トレーニング自体が痛みでできなかったりします。
ですから、腹式呼吸を使った体幹インナーマッスルの基本トレーニングから始めていきます。
3段階のトレーニング
慢性の腰痛や坐骨神経痛の体幹インナーマッスルトレーニングを、次のように3段階にわけてトレーニングを進めていきます。
- 体幹インナーマッスルに力を入れる練習
- 体幹インナーマッスルを使いながら手足を動かす練習
- 体幹インナーマッスルを使った日常動作の練習
体幹インナーマッスルトレーニングには、『ストレッチポール』というものを使います。
ストレッチポールは、長さ1メートル弱の円柱状のポールで、ストレッチポールの上に仰向けに寝ることだけでも、身体をゆるめて整えられます。
どんな人にでも効果があり、日常の積み重なる動作のクセで出来てしまった「体のゆがみ」を自分で改善できる器具でもあります。
ほぐしやでは、あまり物販には力を入れておりませんが、効果のある商品ですので、セルフケア・グッズとして薦めております。
詳しいポイントは、お店で教えておりますので、お越しくださいませ。
ストレッチポールに乗ってみる
ストレッチポールに仰向けに乗ると、後頭部、胸椎(胸の後ろの背骨)、仙骨下部(お尻の真ん中の少し上)がポールに当たります。(上図参照)
1. 背骨を重力から解放した状態にする
人の身体は、頭の重みを上手に支えるために、背骨がS字を描きバランスを取っています。
ストレッチポールに乗ると、上記の通り3点がポールに当たり、天井方向へ押し上げられます。
そうすると背骨のSカーブが緩くなります。これは脊柱を重力から解放した状態に近い状態です。
ただ普通に寝ただけでは、上記3点の天井方向へ押し上げる力が小さく、ストレッチポールに寝た状態は再現できません。
2. 骨盤・股関節まわりを緩めて整える効果
ストレッチポールに寝た状態では、骨盤と股関節がゆるみのポジションになります。
それにより、関節の動きもスムーズになります。
この状態で、骨盤まわりをゆるやかに動かす運動をしたり、足を動かす運動をすることで、骨盤・股関節まわりを緩めて整える効果が出ます。
不定愁訴の定番とも言える慢性的な腰痛にも、改善効果が期待できます。
3. 肋骨・肩(首)まわりを緩めて整える効果
ストレッチポールに寝た状態では、肋骨まわりと肩まわりが動きやすいポジションになります。
通常よりも大きな動きを引きだせます。
この状態で、胸まわりを広げる運動をしたり、腕を動かす運動をすることで、肋骨・肩まわりを緩めて整える効果が出ます。
床に寝た状態では床との摩擦で肩まわりがスムーズに動きませんが、肩甲骨が浮いた状態になっているのでスムーズな動きを引き出せます。
不定愁訴の定番とも言える慢性的な肩こり・首こりにも、改善効果が期待できます。
詳しいポイントはほぐしやまで!
ほんの些細な少しの動作が出来ているか否かで、効果が違ってきます。
ですから、椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症などの除圧運動療法においては、細かい指導が必要になります。
東御整体ほぐしやでは、ストレッチポールのインストラクターでもありますので、細かいリハビリ指導の他に、色々な使い方も教えております。
ご興味があれば、「ほぐしや」へお越しくださいませ。
お教えいたします。
Tel 0268-64-4948