AKBの「フライングゲット」のポーズ
モノマネによって広まったAKB48の「フライングゲット」のポーズですが…
実は体の機能が凝縮された動作になっているのです。
特に肩コリ。
このポーズをどれくらい綺麗に取れるかで、体の「こり度」を測ることができます。
「フライングゲット」で問われる肩甲骨
AKB48の「フライングゲット」という歌の中で出てくるポーズに、両手を頭の上にあげ、肘を大きく横に張って手の甲を合わせるというものがあります。
「フライングゲット」と言う部分の「フ」のトコの1秒もないくらい早くやっているので、よく見ないと解りません。
皆さん、このポーズを取ることができるでしょうか?(無理をすると肩を痛めてしまうので、絶対に無理をしないでください)
もし、手のひらを内側にしてオッケーサインを作るようにするのであれば、ほとんどの人はできると思います。
ところが、手の甲を内側にして、と言われるとどうでしょうか?
できるにはできるけど、頭の上に手が触ってしまうほど低い位置でしかできない、もしくは頭の上まで上げられないという人もいるはずです。
両者の違いは、肩甲骨の動きです。
手の甲を内側に向けるためには、肩甲骨の下部が背骨に対して羽を広げるように外側に開いていかなければなりません。
両手を真横から開くように上げていくと分かりますが、肘が肩の高さより少し低いところまでは、肩甲骨が知らん顔していても上がってくれます。
しかし、水平に近づきそれ以上高く上げようとすれば、肩甲骨の助けがないと上がりません。
人間の体はそう仕組まれています。
「フライングゲット」のポーズができない人は、この肩甲骨が動かなくなってしまっているのです。
肩こりを改善することの一つは、肩甲骨を本来の動きができるようにしてあげることです。
関節は、すべて繋がっているのです。
不快に感じ、痛みを認識している場所は、筋肉の名前でいうと「僧帽筋」です。
僧帽筋の主な仕事は首をすくめるように、肩を上げ下げすることです。
ですから、
その筋肉の血流が悪くなったのなら、首をすくめる動作を繰り返せば良いのです。
僕が言わなくても、きっとみなさんは無意識にそうしていると思います。
では、それだけで肩こりは解消できるでしょうか?
残念ながらそうはいきません。
表層にあるのは僧帽筋ですが、奥深くには他の筋肉が何層も重なり、また近接する筋肉との関係も考えると、その動作だけでは用が足りないのです。
背中側から見た体幹部分をイメージしてください。
上部には体幹部と上腕部をつなぐ「肩関節」、下部には骨盤と大腿骨をつなぐ「股関節」があります。
ただし、先ほど説明したとおり、「肩関節」は「肩甲骨」の関与なくしては本来の動きができません。
4本の割り箸を「井」の形にして(いわゆる井桁)、交差する4カ所を輪ゴムでとめたとイメージしてください。
1カ所を動かそうとすると、4カ所すべてが連動して動きますよね。
人間の体も同じです。
1カ所だけでは動くことができず、常に全体が連なりあって動いているのです。
ですからそのうちの1カ所に不都合を感じてしまったら、治すべきところはその部分ではなく、4つの連動を改善しなければなりません。
我々の体の各部位には細かく名前が付けられているため、まるで部品の集合体のように思われがちです。
しかし、すべてがつながりあっているのです。
上ではイメージしやすくするために4カ所を輪ゴムでとめた井桁に例えましたが、人体の自由度はそんなものではなく、厚みがあって柔らかく、板状のこんにゃく以上に自由自在に動かすことができます。
普段当たり前のように使っている自分の体ですが、なんとも不思議で、素晴らしくよくできた存在なのです。
背骨のS字カーブと骨盤の引き上げ
あらためて「フライングゲット」のポーズを考えてみると、肩甲骨がうまく機能して回り込んでいくためには、背骨に前後の柔軟性があってS字カーブが十分にできていることが条件になります。
さらにいえば、背骨のS字カーブをつくるためには、骨盤の後ろ側が「広背筋」によってきちんと引き上げられていることが必要となります。
骨盤の引き上げがスムーズに行われるためには、膝が伸びて重心の位置が土踏まずのほぼ中央にあることも一つの要素となり、まさに全身が一致協力して行われているのがAKBの「フライングゲット」という動作なのです。
若い彼女たちは、そんなことなどまったく考えてはいないでしょうが、ある年代以上の方にとっては、体全体の連動性を測る、大きなバロメーターとなります。
50歳以上になると、できない人の方が多いかもしれません。
だけど、できないからといって頑張って無理に行なわないことです。
動かないのに急に無理をすると、体を痛めてしまいます。
こり固まってしまった体をほぐすには、ある程度の手順と時間が必要です。
僕もサポート致します。
焦らず、地道に、じっくりと…
そうすると、「フライングゲット」のポーズができるようになり、肩こりや腰痛を自分でコントロールできるようになるはずです。
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